当店のお客様の白髪染めの9割はマニキュアによるお染めです。
白髪が出てくる度に根元だけをお染めるリタッチです。
普通のどこのお店でもやっている白髪染めはヘアダイという過酸化水素水を使ったアルカリカラーになります。
その場合は地肌にベタベタとハケでくまなく塗布します。しっかりたっぷりお薬を塗布しないと根元から染まりません。
そうですね。これだけお薬を頭皮に塗り込んだらしっかり染まりますね。
この作業は1年目の美容師でも容易に出来ます。 そして、早い!簡単!安い!
他にもありますが。
ここからは専門的なことになります。 難しいようですが知って頂きたいことです。 知らずにやっていたから炎症を起こしたり、薄毛になってしまったり、ダメージをして細くなったりしているのです。
≪ヘアカラーの分類≫
まず、医薬部外品の染毛剤と、化粧品の染毛料の二つに分かれます。
そして、
*染毛剤は、永久染毛剤。。
*染毛料は、半永久染毛料、一時染毛料があります。
それぞれ細かく分けていきますね。
★永久染毛剤=【染毛剤】医薬部外品
永久染毛剤・・酸化染毛剤(染料)・・弱酸性~アルカリ性・・
(通称):アルカリカラー・ローアルカリカラー・酸性酸化型・ファッションカラー・白髪染め ☜
これらは全て、酸化という文字がついているように、化学反応が起こり染まるものです。 違う物質に変わることです。
なので、しっかり染まる!取れない! というのがメリット感のように思われるようです。
★半永久染毛料=【染毛料】化粧品
半永久染毛料・・直接染料・植物染料があります。
*直接染料・・酸性染料・塩基性染料・HC染料 の(染料)があります
酸性染料・・酸性
(通称):マニキュア ☜ 当店のお勧めカラー。
塩基塩基性染料・HC染料・・弱酸性~アルカリ性
(通称):トリートメントカラー・カラーシャンプー
*
植物染料・・ヘナ・インディゴの(染料)があります。
ヘナ・・酸性 インディゴ・・アルカリ性
(通称)ヘナ・ボタニカルカラー
★一時染毛料・・着色料・・・顔料・油溶性染料
(通称):カラースプレー・カラースティック
図に書くとわかりやすいですね。
ここからは、美容室でよく使われる薬剤のみ記載します。 長くなるので。
アルカリカラー・ファッションカラー・白髪染め の染料。
酸化染料は、毛髪の内部で過酸化水素水の酸化剤によって酸化されることで発色し、色を定着する。
パラフェニレンジアミン・メタアミノフェノール・パラアミノフェノール・トルエンー2・5-ジアミン等。
これらの物質は、アレルギー性皮膚炎を起こしやすい物質でもあります。
以前のブログでカラーによるアレルギーについて書きました。https://www.gradation-salon.com/?p=1790
そして、これらの染料と、アルカリ剤を含みアルカリ性に調整したものを 1剤 と言います。
と、酸化剤として、過酸化水素水 を含むものを 2剤 と言います。
酸化染料とは、酸化をさせる・・毛髪内部で化学反応が起きるということになります。
1剤は2剤である過酸化水素水と反応し、髪の毛の鉄分などと反応し、発色します。
同時に、過酸化水素水は毛髪中のメラニン色素を分解して脱色(ブリーチ)し、黒髪の明度を上げ染毛します。
1剤のパワー、2剤のパワーも調整でき、明度をそれほど上げないファッションカラー弱 < 白髪染めはパワーが強
これにより、白髪染めをしてから急に髪が傷んできたとか、細くなってきた。
と思われる方が増えてきます。
理由は、キューティクルの表面には脂肪酸の一種、18MEAで覆われています。(毛穴から出てくる皮脂、艶やかに見える油分)は、
疎水性があり、湿気などから髪を守ってくれます。
〈健康であれば広がらない理由です。)
毛染めをすることで、アルカリ処理することで、守っていた18MEAは簡単に外れ、過酸化水素等により酸化され、
疎水性であったキューティクルは、親水性に変わってしまい、摩擦が大きく滑りが悪くなります。
ですので、パワーの強い薬剤ほど、(白髪染めのヘアダイ)髪の毛のダメージが強くなり、パサつきや細毛になる速度が早まります。
本来お肌、(頭皮)髪の毛のタンパク質の持つphは弱酸性です。
酸化染毛剤の美容室のある物ほとんどがアルカリ性のカラーです。染めるとお肌(頭皮)、髪の毛もアルカリに傾きます。
というのが理由です。
では、マニキュアはどうでしょうか=酸性染料
過酸化水素水を使用しない為毛髪を明るくすることは出来ません。
〈-〉マイナスの電荷をもつ酸性染料は酸性サイドにて使用し、毛髪に〈+〉の電荷を帯びさせ、酸性染料と毛髪をイオン吸着させることにより染着する。
マニキュアは酸性なので、髪の毛も酸性よりになりきしみやすくなります。
頭皮は変わりません。髪の毛はコーテイングはしますが、タンパク質変性をするようなダメージはありません。
ヘナは、酸性サイドにて毛髪の塩基性アミノ酸残基と結合、することでオレンジに染着する。
インディゴはアルカリ性サイドにて毛髪に浸透させ、毛髪が濡れている状態での空気酸化にて発色します。
(日本毛髪化学協会の資料より引用しました)
お解りいただけましたでしょうか?
塗り方だけでなく、薬剤自体が全く別物です。
薬剤同士が化学反応するか、着色化の違いになります。
地肌から塗らないからしっかり塗れてないのが、デメリットなのか?
地肌にしっかり塗るからしっかり染まってメリットなのか?
明るい色になってイメージが良く見えるからメリットなのか?
繰り返しの染毛でダメージすることがデメリットなのか?
細くなるけど、明るくなるからメリットなのか?
マニキュアはとれるの早いんでしょ?
しっかり染まらないんじゃないの?
など聞かれることがあります。
綺麗に染めたいだけの理由ならヘアダイされれば良いのです。
白髪が染まればそれで良しなんだと思いますが、
捉え方は色々ですね。
全ての方に言いたいことは、白髪を染めることは、頭皮のケア、髪のケアにはなりません。
白髪を染めているだけの行為となります。