美容師のカット技術というのは、奥が深いですが、
基礎もいろんな技法があります。
どこで、いつ習ったかで人それぞれです。
世代でも変わってくると思います。
センスや感覚もそれぞれに個性がありますね。
なので自分に合うカット技術の美容師さんを探すのも難しいかもしれません。
私自身、デビューする前からデビューしてからも何年もいろんな講習に行って身につけてきました。
教え方も様々なので、習ったことを理論づけて解釈し、落とし込んで自分のものに出来るか。
美容師さん次第です。
何度も何度も切ってみて体で覚えていきます。
今は営業時間外で練習することも難しい環境になってきています。
(労基により)
ですから本当に意志の固い人しか技術を確実に身につけていくことは難しい時代だなと思います。
表面だけの造作のスタイリングはファッションや美的センスがあればいくらでも造って写真に残すことは可能です。
でも、写真に残すのも、見栄えの良いものを造るのにも才能が必要だと思います。
私もチャレンジしますが、写真に写るヘアスタイルが造ったものと、
違って見えたりするので、本当に今の若い人たちのセンスは驚くくらい上手だな~~と感じます。
では、カットしたヘアスタイルが
●扱いやすいか、
●おさまりが良いか、
●ダメージがないか、
といったことは、カット理論とカット技術で変わると思います。
そのカット理論は大きく分ければ数えられるくらいかもしれませんが、
カット技術は、星の数ほどいる美容師の分だけ千差万別なのです。
「同じ先生に習っても出来上がりは違う」
例えば、カット講習で同じ題材で、習ったとおりに少しずつカットをしていても、
さ~出来上がったら、全員違ったヘアスタイルになっています(笑)
びっくりするくらい違います。
同じ切り方をして、切る順番も同じように習ってやっていても違うのです。
本当は、その講習で、教えてもらっている人の仕上がりに近くできる人が、
習っていることを理解し、身につけるのだと思います。
理解できても、腕がついてこない!
ということもあると思います。
では、なぜ違って仕上がるのかというと、
最初に切り始める、最初の長さや、引き出す角度の1mm、2mmの差が、
切り進んでいくと全体のバランスが変わってくるのです。
本当に微妙な差が大きく変わってくるのです。
「髪の毛の質は全員違います。」
顎の長さでカットしたとしても、乾くと浮き上がり方が髪質で違うので、人と違うようになります。
髪の毛のその時の状態・・・傷んでいれば乾燥しています。
乾燥度合いで浮き上がり方が変わるのは想像できるでしょうか?
水分量が多い髪の毛は重みがあり浮き上がりにくいですね。
くせ毛の髪の毛は直毛の方より乾燥していて、しかもうねるので、もっと浮き上がります。
その分梅雨時期に広がります。
傷んでいる方、くせ毛の方は広がるので水分補給をしっかりされると良いということがわかります。
「骨格が違う」
ハチ張りさん、ぜっぺき、おでこの幅、広さ、こめかみの位置、つむじの位置、後頭部の奥行、
首のくびれ、首の長さ、太さ、耳の高さ、耳の位置、、、
気を付けなければいけないところはたくさんあります。
骨格の凹凸で、髪の毛の生えている向きが変わります。
毎回同じスタイルを造ることも、ほぼ不可能です。
1~2週間おきくらいにカットするくらいなら可能ですが。
前と同じでと言われることがありますが、
機械ではないので、ここは何センチ切って、
後ろも何センチ切ってと紙を切るのとはわけが違います。
「髪の毛は動きます」
写真のヘアスタイルは、止まっている状態に撮影されたものなので、
実際に指を通したとき、
風に吹かれたとき、見る角度を変えたらどのくらいの長さなのか?
シャンプーして自分で仕上げたらどうなるのか?
などなどを計算しないと似たようにはできないと思います。
経験が増えてくると、来店時の髪形で、気にされている部分がわかるようにもなってきます。
それと、ドライヤーのかけ方や、手グセ、寝相、、見えてきたりします。
それは、ハネている部分、ぺちゃんこになっている部分、
膨らんでいる部分の髪の毛の方向などを見ると
大体わかってきたりします。
私自身は、デザイン性だけでなく、扱いやすさを考え、スタイリング剤などをつけすぎずに、
ナチュラルな状態で収まるように考えてハサミを入れています。
ただ、シャンプー剤が悪いとカットがしずらい。。。。(笑)
ハーブスシャンプーだと、根元がふんわりしてくれるので
仕上げも楽です。